永和国土環境株式会社|再利用水の安全性と衛生面について

循環再利用で水洗化を実現したバイオトイレ・汚水を出さない特殊技術による自己完結型トイレ・循環型トイレ・アクアメイクシステム

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INDEX技術資料再利用水の安全性と衛生面研究論文浄化槽の設計・施工上の運用指針排水再利用・雨水利用S設計基準建築用途別計画負荷量
アクアメイク

■技術資料−再利用水の安全性と衛生面について(処理水再利用が生物処理に与える影響)

§1,再利用水の衛生面について
1、はじめに
トイレ排水を高度に生物処理し、処理水をトイレ洗浄水として一部再利用する場合において最も留意しなければならない事は、再利用水の衛生面での安全を確保することであります。
今回はこのような視点より、カキ殻接触材を用いた三次処理槽で屎尿排水を高度に処理し、これを水洗トイレに洗浄水として循環再利用している処理水の衛生面について調査したので報告します。
調査に当たって全ての感染性、病原性微生物を対象としたいところですが、通常使用されている大腸菌を腸管系病原微生物の指標とし、この微生物を除去すれば安全であると考え検査報告を作成しました。
2、調査方法
大腸菌群の計数には、デスオキシコーレイト寒天培地を用い、希釈平板法の三連で計数しました。又、コロニーの同定には、Roche 社製のEnterotubu を用い、37℃で48時間培養の結果より判定しました。

(個/mL)
  ばっ気槽 カキガラ槽 貯留槽
4月 0 0 0
5月 7.4×101 0 0
6月 1.6×102 0 0
7月 5.3×101 3.3 0
8月 5.7×101 0 0
9月 2.0×101 0 0
10月 8.0×101 0 0
11月 8.0×101 0 0
12月 6.0×102 0 0
1月 2.0×101 0 0
2月 2.0×102 0 0
3月 1.4×102 0 0

3、考察
デスオキシコーレイト寒天培地による計数では、図1のデーターに示す通り、ばつ気槽においては10〜10個/ml 存在した。
大腸菌群の内容についてのEnterotube兇砲茲詁営蠅任蓮Escherichia coli が最も多く、Enterobacter agglomerans. Enterobacter cloacae. Citrobacter freundii. 及ぴ Klebsiellaと判定される菌種が見られた。しかしカキ殻槽水、カキ殻表面からは殆ど見られず、再利用に使用される貯留水からは全く見い出されませんでした。
このような検査結果より、再利用水としての衛生的安全性が確保されたと考えられます。
4、大腸菌群不検出の所見
アクアメイクシステムの再利用水には、大腸菌群の細菌が全く検出されないことは年間の調査データーに見る通りである。その理由としては次のことが考えられる。
1) ばつ気槽には。10〜10個/ml 存在するが、カキ殻表面には存在することもあるが少ない。カキ殻槽水には、ほとんどあるいは全く存在しない。このことより、カキ殻表面にほとんど吸着され、大部分は生物膜の原生動物などに捕食されると考えられる。たとえ捕食されずに残ったとしても、増殖できる条件ではなく死滅する。
2) 従って、たとえカキ殻槽水中に流出したとしても、稀であり、活性炭に全て吸着される。しかも、この部分では栄養分は補給されず死滅するのみである。
すなわち、アクアメイクシステムにおいては、カキ殻と活性炭の2段階の濾過滅菌の効果により、再利用水中には大腸菌群が検出されないものと考えられます。
広島大学  設楽惣助

5、再利用水の大腸菌群数検査について

1)サンプリング日時 平成4年11月9日 AM 11:00 天候雨 水温18℃
2)サンプリング場所 広島県廿日市市原字北後畑2380  垣添 義月 邸
3)建築用途 専用住宅
4)使用開始 平成2年8月
5)実使用人員 大人 3人, 子供 2人,  合計 5人
6)サンプリング方法 1L 無菌ビン3本に再利用水(最終貯留槽)を採水する。
1本は上水面を直接採水、2本目は中間層の水を直接採水、3本目は下層の水を直接採水。
以上3本のサンプリング検体を AM 110:00〜11:20 の間に採水し PM 1:00 検査機関に持ち込みました。
7)検査方法 排水基準を定める総理府令の規定に基づく環境庁長官が定める排水基準に係る検定方法。 (昭和49.9.30環告64)

§2,流入水の塩素イオンか生物学的処理に与える影響について
1、はじめに
処理水をトイレ洗浄水などに再利用するシステムにあっては、再利用水に蓄積する塩素イオンの濃度変化を知り、それが生物処理に与える影響を考察する必要があります。個人住宅(A)、集合住宅(B)の実態調査により検討した結果を報告します。
2、塩素イオン月別変動
再利用システムの装置に於ては、使用開始にあたり清水(水道水、井戸水等)を各槽に設計量入れる。 この張水のCl-濃度は一定しないが今回の検討にあたっては200mg/L (水道基準)、生し尿は550mg/Lを使用した。
以下に計算値と分析結果のCl-濃度の変動を示す。

1)流入Cl-量の計算 (A施設 10人槽)

   調査施設の全容量    4.881m3
   生し尿のCl-濃度 10人x1 L/人・日× 5,500 × 10-3=55g
   張り水のCl-濃度 4.881m3x200g/m3=976g
   1日目    976+55=1031
   2日目    1031+55=1086
   3日目    1086+55=1141

故に  976+{(日数‐1)× 55 }+55 の計算式が成り立つ
1年間を365日とすれば 976+{(365-1×55 }+ 55 =2,1051 g

   2,1051g÷4.881m34,313g/m3

表1 A施設 処理水BODとCl-濃度の比較 (mg/l)
A施設 4 5 6 7 8 9 10 11 12 1 2 3
計算値 539 877 1215 1553 1891 2229 2567 2905 3243 3581 3919 4313
分析値 160 160 150 245 279 323 320 310 330 320 290 320
BOD 0.7 0.6 0.7 0.7 1.8 1.4 1.4 1.6 3.2 1.2 1.4 1.5

2)流入Cl-量の計算 (B施設 20人槽)

   調査施設の全容量    8.445m3
   生し尿のCl-濃度 20人x1 L/人・日× 5,500 × 10-3=110g
   張り水のCl-濃度 8.445m3x200g/m3=1689g
   1日目    1689+55=1744
   2日目    1744+55=1799
   3日目    1799+55=1854

故に  1689+{(日数‐1)× 110 }+110 の計算式が成り立つ
1年間を365日とすれば 1689+{(365-1×110 }+ 110 =41839 g

   41839g÷8.445m34955g/m3

表2 B施設 処理水BODとCl-濃度の比較 (mg/l)
B施設 9 10 11 12 1 2 3 4 5 6 7 8
計算値 591 982 1373 1764 2154 2545 2936 3327 3717 4108 4499 4955
分析値 180 110 77 120 170 130 260 760 620 435 397 397
BOD 0.7 2.7 2.5 3.8 7.2 8.4 49.8 1.3 2.7 0.6 1.0 1.0

3)B0D除去率から見る処理機能について
カキ殻槽での処理水質は、表1・2に示す通りB0D値で(A)施設においては0.7〜1.0mg/l、(B)施設においては0.7〜2.0mg/lであり、B0D除去率は99.66%〜98.9%と高いレベルを維持しCl濃度の変化に伴う影響は認められない。

(1)表3海水希釈によるし尿処理施設のばっ気構のCl濃度とB0D除去率の関係
4 5 6 7 8 9 10 11 12 1 2 3
Cl濃度(mg/l) 13500 13900 14600 14700 14700 15000 14300 13500 12400 12500 12300 12200
BOD除去率(%) 99.4 99.7 99.6 99.8 99.6 99.5 99.7 99.5 99.6 99.5 99.6 99.6

4)考察
計算上蓄積するCl-濃度は1ケ年経過後に於て(B)では 4955mg/l になり、この数値は生物処理に影響を与える数値ではない。
この事は、表3のデーターに示す通り海水希釈により生物処理を行なっているし尿処理施設のCl-濃度 (12000〜15000mg/l) からも判断できる。

(1)安芸地区衛生施設管理組合(H3.4〜H4.3)のデータによる。

§4.流入汚水の窒素含有率が生物処理に与える影響について
1.はじめに
屎尿の一人当たり汚濁負荷量原単位は全窒素、9g/人・日(昭和45、60建設省調査)と報告されている。 一般に屎尿単独浄化槽に流入する全窒素は未処理の状態で放流され、周辺環境の富栄養化の一因をなしている。
アクアメイクシステムは尿尿を高度に生物処理を行なった後、処理水をトイレ洗浄水などに再利用するシステムである。このシステムに於て処理水中の全窒素が生物処理に与える影響について月次変動をもとに検討した。
2.測定方法

1)全窒素の定量
全窒素は、960℃で熱分解し、窒素ガスとして定量する島津全窒素分析装置GCT一12Nを用いて定量した。

2)アンモニア窒素の定量

試料にフェノール・ペンタシアノニトロシル鉄(掘砲縫淵肇螢Ε猴榔佞鯏魂辰刑合した後、次亜塩素酸のアルカリ性溶液を加え、再び混合し、室温で30分間放置後、640nmの吸光度を測定し、NH濃度を算出した。

3)亜硝酸イオンの定量
試料に1%スルファニルアミド溶液を添加し、10分間放置後、0.02%N-(1‐ナフチル)-エチレンジアミンに塩酸塩溶液を添加する。室温で20分間放置した後、540nmの吸光度を測定した。

4)硝酸イオンの定量
〇醂舛卜音清簍榔佞魏辰┐萄合し、水酸化アルミニウムを加えて再び混ぜる。これを濾過した液に酢酸とアジ化ナトリウムを加え、蒸発させた後、フェノール・ジスルホン酸を加え、過熱・冷却後メスアップして、一定量に水酸化カリウム溶液を加え、410nmの吸光度を測定した。

◆〇醂舛烹械亜鷄化ナトリウムを加えて混合し、次に硫酸(4容)と水(l容)の混液を加えて混ぜた後、冷却する。この液を一定量取り、ブルシン・スルファニル酸溶液を加えて混ぜる。20分間沸騰過熱後、冷却する.水を加えてメスアップした後、410nmの吸光度を測定する。

主として,諒法により、△諒法も参考に用いた。

3.窒素成分の変動
窒素成分ではNH4をはじめとする無機性のもの及び全窒素(丁‐N)を測定した。図4〜5に示すように、カキ殻槽水では、ばつ気槽水にみられるNH、NH2は、殆ど存在しなかった。
これはカキ殻槽ではほぼ完全に硝化作用によってNH3に酸化された結果であると思われる。又、T‐N、NH3- とも概して温暖期には減少し、寒冷期にはより多く残存している。

4.窒素成分の濃度
 カキ殻槽水の窒素濃度の月次変化は、図6−2に示すように、温暖期に減少し寒冷期に増加している,従って極端にT‐Nが蓄積されることはなく、しかも年一回以上清掃引き抜きを行なうので、この傾向は続く。
 ちなみに調査結果以上のT−Nが蓄積されるとしても、脱窒菌バチルス ファ‐マス菌は硝酸の影響を受けやすい菌であるが、この菌においても嫌気状態でKNO3が10,000mg/l の濃度まで増殖及ぴ脱窒活性・B0D除去が維持される。
 尚、このシステムに多く見られる脱窒菌シュ‐ドモナスは、バチルスファ‐マス菌より硝酸の影響を受けにくく強い菌である。

【図6】Bacillus furmus による脱窒活性及び増殖に対する硝酸イオンの影響

5.まとめ
今回の検討結果から、カキ殻を接触濾材とした生物膜処理法のアクアメイクシステムにおいては、調査結果にもとづき、T-N の段階的な蓄積は認められず、生物処理に与える影響は、年一回各槽全量引き抜き、清掃をするので考慮する必要がないと考えます。

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